2016年8月21日 複雑な思い

 

あの場所のことを何年後、何十年後に思い出すとしても、真っ先に頭に浮かぶのは人混み、汗の臭い、そして人々の話し声、子供達が親に尋ねる声の響きでろう。時折”riben”(中国語で日本という意味)という言葉が耳に入ってくる度に、どきっとしたことも思い出すだろう。私が今日どこに行ったかお分かりになるだろうか。「侵華日軍南京大屠殺遭難同胞記念館」(邦名:侵華日軍南京大虐殺遭難同胞記念館」である。
南紀大虐殺記念館
最寄り駅から出て、まず人の多さに驚いた。まだ朝の9時50分だというのに、行列ができている。そばには小さな中国国旗を売っている人もいた。博物館の入り口に至るまでの場所には日本軍から逃げる人々、殺された人々の彫像が設置されている。説明文では「悪魔」=日本軍の残酷さが描かれている。このような表現は予想の範囲内とはいえ、胸に迫るものがあった。もちろん当時の日本軍と日本人は違う存在であるはずであるが。

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